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久野はすみの短歌と日記


by hasumi-kuno
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劇団青年座公演「赤シャツ」

先週の水曜日、市民劇場の例会で、青年座の「赤シャツ」を見た。
短い間だが、在籍していた劇団である。
まずは楽屋に行き、なつかしい方々にご挨拶してから客席へ。

与謝野晶子・鉄幹夫婦とその周囲のひとびとを描いた
「MOTHER 君わらひたまふことなかれ」、
寺田寅彦をモデルにした「フユヒコ」、
「坊っちゃん」の敵役を主役にした「赤シャツ」。
これで、青年座のマキノノゾミ三部作は全部見たことになる。

「MOTHER」と「フユヒコ」も良かったが、これもとても面白かった。
坊っちゃんが体験した出来事を赤シャツの側から描くという発想が
そもそも秀逸なのだが、思いもよらぬ展開におどろきながら
「そうだったのかも」と納得させるリアリティが見事。

登場シーンでは笑ってしまった赤シャツの所作や話し方も
彼の出自や立場を知ると自然なことに思えてくる。
良かれと思ってやったことが誤解され
何もかも裏目に出てしまうのを見ているうちに
「赤シャツがんばれ!」と応援したくなってくる。
そして、ずっと彼を苦しめてきた過去が明らかになったとき、
誰もが赤シャツのしあわせを願わずにいられない。

面白く、わかりやすく、深い。
井上先生を継ぐのはマキノさんなのかも知れない。

赤シャツ役の横堀悦夫さんは細身に白いスーツがよく似合う。
パリッとした帝大卒の優秀な部分と
あれこれ悩むぐだぐだな部分を自然に演じている。
事が起こるたびにあたふたする姿がチャーミングだ。
芸者・小鈴役の野々村のんさんは声がバツグンにいい。
女中・ウシ役の今井和子さんが神出鬼没で可笑しい。

いい芝居でした。
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by hasumi-kuno | 2010-05-25 05:24 | 映画・演劇