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久野はすみの短歌と日記


by hasumi-kuno
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11月25日 久保収三油絵展

都合の悪いことは忘れてしまうらしく、高校のことはよく覚えていない。
休んでばかりいたのだから、まあ当然だろう。
そんな訳で当時の美術の先生が個展を開くと聞いても、すぐにはピンとこなかった。
それでも先生のことを思い出すことができたたのは、先生が演劇好きだったから。
演劇部の公演を見てくれて
「ほ~、あんたがあのときのおばあさんかね。上手やったね」
と、眼鏡の奥の目を細めて褒めてくれた、あの先生だ。
わたしの演技を褒めてくれた唯一の人だな、なんてことを思いながら、
松山歌会の仲間・マチ子ちゃんが勤めているギャラリーへ。

先生は四国の霊峰・石鎚山を描くことをライフワークにしている。
ギャラリーの中央に立ってぐるっと見回すと
さまざまな季節の、さまざまな時間の石鎚がこちらを向いて迫ってくる。
青い太陽に照らされた赤い石鎚もあるのだから、さまざまな心の、というべきか。
さっと拝見して帰るつもりが、マチ子ちゃんのおかげで先生とお話することができた。
絵の印象を告げると、先生は笑っておっしゃった。
「石鎚はもう見なくても描けるんよ。
 だからダメなんだけど・・・あんな風には見えないって言われる(笑)」
それを聞いて、わたしは自分が絵を描かなくなった理由を思い出した。
中学の美術部で山を描いていたときのこと、
後輩がいきなり黒っぽい赤で山を塗り始めたのだ。
乱暴な輪郭でべたっと塗られた山は、まるで小さな子どもの絵のようだった。
「山なのに、そんな色おかしいよ」と、わたしは笑って後輩をたしなめた。
ところが、一緒に描いていた友人は笑わなかった。
「どうして?好きな色で塗ればいいんじゃないの?」と言った。

数日後、わたしは自分の絵を描き直した。
緑だった山を紫色に、青空をたそがれのオレンジ色に。
それが限界だった。
好きなものを、好きな色で、好きなように描く。
それができなかったわたしは、絵と、絵を愛する人たちに
ずっと憧れを抱いている。

久保収三展は11月29日(火)まで
ギャラリーリブ・アート
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Commented by みのり at 2005-11-29 09:04 x
>好きなものを、好きな色で、好きなように描く。

わかる~~~~~!
私も絵が大好きだったけど、これができなくてあきらめた口です。
でも結局、今は歌のこれで行き詰っているのだけれど。(^_^;)

あまりに共感しちゃったので、おもわずひとこと。
Commented by hasumi-kuno at 2005-12-01 07:35
わ~、仲間だ~。
うんうん、短歌もけっきょく同じなんですよね。
by hasumi-kuno | 2005-11-27 22:08 | 日記 | Comments(2)