ぺんぺん草日記 hasumi.exblog.jp

久野はすみの短歌と日記


by hasumi-kuno
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11月のシアターねこは、週末のたびに公演が入っているという盛況ぶり。
なのになんだかんだで見られず、昨日ようやく1本見ることができた。

松山の劇団ステッキと香川のサラダボールが組んで
松山と香川で公演を行うという企画。

劇団ステッキ
http://stick-theatre.main.jp/

ねこの事務所(←この言い方かわいい)に寄るため、早めにでかけたのが大正解。
「おいしいコーヒーがありますよ」と言われて入ってみると、ふだんはリハーサル室として使用されている部屋に、高校の文化祭みたいな出店が三つ。
そのラインナップが、ツボ。

惣菜工房やの家のおにぎり(五穀米?)とおみそ汁
http://www.dcity-ehime.com/syousai/main.asp?P_SNO=A0006784 自家焙煎セラヴィのコーヒー
http://www7a.biglobe.ne.jp/~noi/seravi/seravi.htm
GIVの焼き菓子
http://www.homemadecakegiv.com/

さっそくおにぎりとおみそ汁を食べ、食後にコーヒーをいただく。
こういうの、いいなあ。次回もぜひやっていただきたい。

さて、肝心の芝居のほうはどうかというと、たいへん面白かった。そして、山本称子さんは本当にうまい。この人の芝居を見るだけでも充分価値があると思うほど、すっかりファン。
一つだけ残念だったのは、客席だなあ。もっとみんな笑おうよ。ひとり大声で笑うのも気が引けて苦しくてしかたなかったよ。

平田オリザブームの頃はすでに芝居から遠ざかっていたため、実は今回初めてオリザ作品を経験した。この不条理は好きな感じ。竹内銃一郎的香りもして(危険な雰囲気はないけれど)。松山編なので方言での上演。この芝居はあちこちで、その土地の言葉で上演されているようだ。

「目が覚めたら夫婦だった」
ってカフカじゃないんだから、と笑ってしまう不条理劇。
でも・・・じゃあ、夫婦ってなに? 

11月25日(日)まで、シアターねこ、27日、28日は四国学院大学ノトスタジオで上演。
おすすめの1本です。
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# by hasumi-kuno | 2012-11-24 12:03 | 映画・演劇

近況報告

いとんなことが一気にやってきて
一気に去っていった、という感じ。

7月は演劇の師匠につきあっての日帰り遍路旅と
ずっと行きたかった土佐赤岡絵金祭り(これも日帰り)。
その後、3カ月に1度の仕事の繁忙期に突入。
8月11日は会社からそのまま深夜バスに乗って名古屋へ。
未来大会とひつまぶしツアーで二日間をたっぷり満喫。

帰ってきたら地元の劇場「シアターねこ」の手直し関連でバタバタ。
手直しの仕事で来松中の師匠につきあってよく飲んだ。

俳句甲子園は決勝戦だけ生で拝見。
大変よいものでした。

8月最後の週末は、珍しく昼間に行われた松山歌会。
そして新生「シアターねこ」での観劇。
そんなこんなで手習いのほうをさぼりにさぼり、昇段試験は不合格。
また励みます。

9月になって仕事も落ち着いたので
それぞれの覚え書きを書こうと思ったけれど、これがなかなか。
「遊子」の散文、批評の締切がーーー(遅れてごめんなさい)。

10月に入るとこんどは秋祭り。
五十肩(9月でよんじゅうきゅうさいになりました)を
ヒアルロン酸注射でごまかしての、女神輿。
それでも神輿の上に乗る阿呆。

読んだ歌集の感想も書きそびれたまま不義理がつづいていますが
年内には歌集原稿をあげるこころづもり。
「40代で歌集を」のタイムリミットまであとわずか…どうなりますやら。
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# by hasumi-kuno | 2012-10-14 11:49 | 日記

土佐赤岡絵金祭り

土佐赤岡絵金祭りに行ってきました。
http://ekingura.com/modules/ekin3/index.php?id=3

絵金とは
江戸時代末期、土佐藩の御用絵師でありながら
贋作疑惑により追放され
10年の放浪ののち、赤岡の町絵師となり
芝居絵屏風を残した、弘瀬金蔵のこと。

まず、絵金蔵(絵金のミュージアム)をひととおり見学(複製展示)。
酒蔵をアトリエにしていたという絵金。
大男だったそうな。
17時から、絵金蔵のむかいの弁天座で絵金歌舞伎を観る。
毎年祭りの日に、絵金が屏風に描いた演目を上演しているという。
今年は「浄瑠璃式三番叟」「葛の葉子別れ」「義経千本桜 道行の段」。
廻り舞台あり、すっぽんあり。
弁天座の立派さに驚き、地元歌舞伎の楽しさを満喫した。
素人目(耳)にも、義太夫がことにすばらしかった。

芝居が終わって、通りへ。
商店街の軒先に飾られた芝居絵(本物です)の前にろうそくの火がゆれる。
カッと見開いた目、苦悩の表情、血の赤に魅了される。

現代のアーティストによる屏風絵の「えくらべ」も楽しく。
(ビー玉で投票するのです)

ジグザグに提灯がつるされた赤岡の通りはたいそう風情がありました。
たとえば、道頓堀あたりで道ならぬ恋におちたふたりが
ひっそりと暮らしていそうな。

「土佐赤岡絵金心中」とか(わ、殺してしもた)

雑貨屋さんを見ていたら
ばらばらと、アンティークボタンがこぼれる音。
「あ~あ、まけたねえ(ばらまいちゃったね)」
浴衣のおねえさんの、土佐なまり。

もう祭りも終わるというころ、
高知のライターさん&カメラマンさんと遭遇。
本当はお酒でも飲んでゆっくり一泊したかったけれど。

とん平焼き(からしがきいて美味)を焼いてたおばちゃんたち
浴衣のお嬢さんたち
かわいい子役たち(とくに脚絆がぬげちゃったおちびさん)
雑貨屋の(坊主頭に葉っぱをのせた)キュートなおんちゃん。

みんなみんなありがとう。
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# by hasumi-kuno | 2012-07-25 01:40 | 日記
憧れてやまない歌人、大辻隆弘さんの第二歌集『ルーノ』を読む。
収められているのは1989年~1992年までの歌。

・目覚めよ、と呼ぶこゑありて目ざむればまだ手つかずの朝が来てゐる

・樹々たちの言葉のやうに八月のひかりしたたれ、ひかりはことば

・滅びゆく鼻濁音「が」のやさしさを聞いてゐる夜、君とゐること

・風はしる八月、父に抱かれてはじめて言葉となりしわが声

冒頭の一連「夏のかけら」より。
目覚めるとは言葉をもつこと。歌人として世界と対峙すること。
畏れつつ、ひかりを求めてやまない心情が繊細に詠われている。

・炎昼のひとかげあらぬ交差路を猫 an sich (即自的猫)歩みゆきけり

哲学はわからないけれど、即自的存在の悠然とした歩み、
そしてドイツ語をさしこんだしらべの心地よさが好きだ。

・ふるさとを去らぬは持たぬことに似て九月 素水をつらぬくひかり
  (ルビ 素水=さみづ)

何度もこころの中で反芻してしまう一首。
余計な力がなく、言挙げがすっと立っている。

・凍るやうな薄い瞼をとぢて聴く ジュビア、ジュビア、寒い舌をお出し

ジュビアは雨。残酷でうつくしい相聞のにおい。
初めて目にしたとき、意味もわからずどきどきしたものだ。
しかし私自身が変化したのだろう、今回は次のような歌により惹かれた。

・目の見えぬ少女のために色彩を楽にたぐへて告げし人あり

・つきかげは細部にも射し陶片の青磁のいろの夜半のはなびら

・昧爽の寒くしづめる青のいろを妻は見きといふ、われは見ざるに

そしてもっとも心を揺さぶられたのは歌集の最後、
生まれたばかりのお子さんを詠ったものだ。

・ひとの世のことばをもたぬ子の口に霜降り肉の舌はほの見ゆ

・かなしみの初めのやうな溜め息を聞きぬ 子の辺にねむる夜明けに

・夜の蝉が咒と啼く闇へ、ふたひらの薄き耳もつ子を連れてゆく 
  (蝉は正字、ルビ 咒=じゆ)

息は声となり、声はやがて言葉となる。
生まれたばかりの子の耳はもう咒を聞いているのだ。

かつて父に抱かれて言葉を得た、追想の夏と、
まだ言葉をもたぬわが子を抱いてゆく闇。
そこに歌人の覚醒と、それゆえの哀しみを感じたのである。

(※お名前の辻は一点しんにょうです)
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# by hasumi-kuno | 2012-07-25 01:38 | 歌集

松山市民劇場次回例会

楽しみにしていた芝居が近付いてきました。

a0011671_1531522.jpg

俳優座劇場プロデュース
マキノノゾミ作、宮田慶子演出
『東京原子核クラブ』
7月9日(月)18:30~
ひめぎんホール サブホール
お問い合わせは松山市民劇場
089-943-2460

今年のラインナップのなかでわたしのイチオシ。
マキノさんの作品はおかしくてせつなくて
“人間”がいきいきと描かれている。
初めて芝居をみる方にもおすすめです。


予告もいいですね。わんこがかわいいです。
 ↓ ↓ ↓
『東京原子核クラブ』予告
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# by hasumi-kuno | 2012-06-30 22:28 | 映画・演劇

「100年後の啄木」

歌の仲間がみんな偉くみえる今日この頃。
そんなときだからこそ行くべきではなかろうか、と、
6月10日の日曜日、京都日帰りツアーを強行。

JRの阪神往復切符は大阪駅までのもの。
行きはそのまま新幹線で京都駅まで乗り越し、タクシーで会場へ。
タクシーの運転手さんが女性で話がはずむ。
「タクシーに乗るようになってまだ一年ほど。楽しくてしょうがないんです。
お客様とはまさに一期一会ですから」と言う。
「もし時間があるなら、会場の近くに壬生寺がありますよ」と教えてくれた。
「途中にきんつば屋さんが二軒あるから、
くれぐれも小さい汚いほうのお店で買ってくださいね」
と念を押されて降りる。

突然の京都行きだったが、
ありがたいことに木更津啓さんがランチにつきあってくれることに。
まだ時間も早かったので、一緒に壬生寺をひやかし、
言われたとおり、小さくて汚いほうの店できんつばを購入。
(注:この店が汚いわけではなく、もう一軒がとてもきれいなのだった)
ほのぼのしたお店の名前は「幸福堂」という。

啓さんに連れて行ってもらったお店が、これまた、かなりユニーク。
店の前にはロボットがいるし、中は居酒屋だか喫茶店だかわからない雰囲気だし。
でも、やさしそうなおじさんとおばさんが、にっこり笑って出迎えてくれる。
私はオムライスのクリームコロッケ添えを注文。
「ボリューム、すごいですよ」と事前に聞いていたにもかかわらず
でてきた皿を見て思わず笑ってしまった。
それでいて、味はちゃんとした洋食屋さんのレベルだから驚く。
啓さんの頼んだとんかつも一切れいただいたけど
かなり厚みがあるのに、とってもジューシー。
生ビールの小はふつうの中ジョッキだし(すみません、飲みました)
「だいこんのはな」といいます。

さて、忘れちゃいけない京都行きの目的、現代歌人集会の春季大会。
テーマは「100年後の啄木」であります。
大辻隆弘さんの基調講演は、啄木の歌の転換期と奇跡の三週間について。
続く関川夏央さんの講演のキーワードは「多重債務者」(笑)
歌人とは違う、歴史や経済からのアプローチとプロの話術を堪能した。
休憩を挟んで、パネルディスカッション。
パネラーそれぞれの主張が明確でありながら平行線にならず
聞いていてとても面白かった。
進行の島田幸典さん、パネラーの岩尾淳子さん、松村正直さん、斉藤斎藤さん
みなさんさすがです。
前日あまり眠れなかったのに、最初から最後までまったく眠くならず、大満足。
さらに林和清さんのまとめにうっとり聞きほれる。

帰りは中・四国組にくっついていれば安心…と思いきや
唐津いづみさんとやすたけまりさんは京都駅へ
山吹明日香さんは私鉄を乗り継いで大阪駅へ行くと言う。
えーと、わたしどうすれば…。
「久野さんは大阪へ行ってください。ビール2杯分うきますから」と唐津さん。
言われたとおり、大阪駅でアンティーク着物がよくお似合いの山吹さん(は、ソフトドリンクだったけど)とビール。
アタフタと新幹線に駆け込むと、京都駅から乗っていた唐津さんが
すでに自由席を2席、確保してくれていた(京都のお土産までいただき、ただただ感動)
その後も唐津さんのおかげで迷うことなく海を越え、無事帰宅。
みなさま、本当にありがとうございましたm(_ _)m

あの男ろくでなしやなと思いつつ京の都に買う甘きもの  久野はすみ
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# by hasumi-kuno | 2012-06-24 11:33 | 短歌
6月3日、シネマルナティックのフィルムマラソンで
「ベニスに死す」「ひまわり」「昼下がり、ローマの恋」の3本立てをみた。
松山でのオールナイト上映は、十数年ぶりだとか。
イタリアンレストランの出店で惣菜やワインも買えるのだが
眠ってはいけないので、とりあえず眠眠打破でガマン(われながらエライ)
最後の映画の前に、ようやくワインを飲む。

3本のうち2本はあまりにも有名だからいいとして、「昼下がり、ローマの恋」。
これがいかにもイタリアンな恋愛コメディで、気持ちよく笑った。
見方を変えれば深刻な話だったり、都合のいいおとぎ話だったりするんだけど
調理する人の腕がいいとこんなにセンスよく美味しくなるのか。
自ら選んで見に行くタイプの映画ではないので、よけい得した気分でしたよ。
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# by hasumi-kuno | 2012-06-24 11:23 | 映画・演劇
WOWOWの無料試聴に申し込んだのは
「スプリング・フィーバー」を見るためだったんだけど
その期間にファントムまでやってくれるとは、なんてラッキー。

「オペラ座の怪人 25周年記念公演inロンドン」(長っ!)は
ロイヤル・アルバート・ホールで2日間のみ上演された特別公演を録画したもの。
劇場公開時に友だちにすすめられて
映画館のスクリーンで見て、とても感動したのだった。

思い返せば2004年の映画「オペラ座の怪人」は、見せ方は素敵だったけど、
ファントムはストーカーっぽくて
クリスティーヌは幼稚で、ラウルはただのお坊ちゃまに見えた。
つまり、話がよくわかってなかった(ということに、このたび気付いた) 。

ところが記念公演では、すべてが切実で納得のいくものだった。
ファントムの孤独、クリスティーヌの決心、ラウルの愛情
それらが繊細に描かれ、痛いほど伝わってくる。
何が違うの?演出?演技?歌唱力?と、思わず映画版を見直したほど。
(いろいろ違ってたけど、特に墓場のクリスティーヌの歌はまるで別物!)

WOWOWでは冒頭に短いメイキング映像と
ラミン&シエラのインタビューがあってますます嬉しい。
本編はDVDと同じバージョンらしく、劇場公開版よりも編集が整理された印象。

やっぱりすごい!
すべてがゴージャス!
フットライトのあたりから撮ったり、上から見下ろしたり
通常は見ることができない映像にワクワクする。
マスカレードの人数、いったい何人いるんだ!

改めて思ったのは、劇中劇「ドン・ファンの勝利」の二人の演技のすごさ。
このシーンのファントム、めちゃめちゃせつないー(涙)
マスクどころか、からだをスッポリ布でおおってるのに!

それと、ストレートプレイで7人が同時にしゃべったら混乱するけれど
オペラやミュージカルではできちゃうんだよなーと再認識。
旋律の力ってすごい。
あーなんかもう、いろいろすごいとしか言えない感じになってきた。

カーテンコールでは、ゲストのサラ・ブライトマン(初代クリスティーヌ)が
歴代ファントム4人を従えて歌う。
これがまた迫力で。

さらにこのあと劇場公開版ではカットされていたおまけがあった。
カーテンコールが終わり、舞台後方へ退場するキャストたち。
押し出されるように、ラミンひとりがふたたび舞台中央へ。
喝采をあびる仮面の男。
シエラが走ってきて、子どもみたいに後ろから腰に抱きつく。
ラミン、シエラをお姫様抱っこして退場。
なんともかわいラストでした。
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# by hasumi-kuno | 2012-06-02 08:30 | 映画・演劇
数日放置していたシアターネットワークえひめのDMをようやく開く。
松山に新しい劇場がうまれる、ご案内。

オープン企画第一弾は、国際演劇交流セミナー2012「タイ特集」。
東京と同じワーショップが松山で受けられる。

まったく、なんなんだ、この鈴木さんのパワーは。
鈴木さんは、わたしが高校生だったころから地元劇団で活躍していた女性。
Uターンしたときは市民劇場の事務局長だった。
事務局を辞められてからは
地元の演劇人を育て、環境を整えることに力を注いでいる。
シアターネットワークえひめ

案内に、一言添えてあった。

「劇場作ります。使って下さいね。すずき」

一瞬、血がさわいだりして…
いやいや、もうやりません(苦笑)
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# by hasumi-kuno | 2012-05-21 00:05 | 映画・演劇
入り方を忘れるほどほったらかしてました(汗)

中華圏の映画をみるのは、たいていシネマルナティックか
シネコンのちっちゃい館。
先日は東京行きのついでに、ひさびさの金城さんの映画を、
新宿ピカデリーでみることができたのは、とてもうれしいことでした。
スクリーンのサイズもさることながら、音響の素晴らしさに感動。
映画も面白かった。

ただ、やっぱり残念なのはこのタイトル。

「ヒューゴの不思議な発明」のときも、狙う客層を間違ってると思ったけれど
原題「武侠」は、金城捜査官が活躍するミステリーというより
少し変わったテイストのアクション映画という印象。
アート系アクションとでもいおうか。
加えて、ピーター・チャン監督らしい濃い人間ドラマが展開される。
人としてどう生きるべきか、というテーマをふくむアクションは壮絶で目が離せない。

映像もストーリーも凝っていて面白いんだけど
天才捜査官が難事件に挑む(←宣伝文句)のを期待されたら、ちょっと違うぞ、と。

農村の映像がすばらしい。
タン・ウェイがとてもいい。
ややクセあり。
松山でもう一度みるつもりです。
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# by hasumi-kuno | 2012-05-21 00:00 | 映画・演劇